
インスタもやってます。
フライパン猫です。更新頻度低いですが、Instagramもやってます。
さて、インスタでフォローしている腎臓病関係の方(患者さんだったりご家族さんだったり)の多くが、腎生検の体験記を書いておられ、おお~これは自分も書いてみよう、と思ったわけです。
これから受ける方へ何らかの参考になればな、とも思います。
※あくまでも筆者個人の体験記です。検査前後の流れや検査手順は、患者の容態や病院の手法等によって異なります。へぇ~こういうパターンもあるのねぇ、程度に思っていただけると幸いです。
腎生検(じんせいけん)って?

腎生検(じんせいけん)とは、身体に針を刺して腎臓の組織を採取する検査です。腎臓病(または腎臓病をきたす疾患)の診断のために行われます。
体験談をメインにしようと思うので、検査自体の詳しい説明は、ここでは省きますね。
ざっくり腎生検の感想
・麻酔のおかげで全然痛くなかった
・安静がきつい。逆に言うと安静よりきついことは特に起こらなかった
・傷口はびっくりするほど小さかった
腎生検の流れ 当日

数日前から別の検査もあって入院していました。お昼くらいにやりまーす、と言われ、昼食は抜きでした。が、前の人が長引いたようで、結局呼ばれたのは夕方くらいでした。
検査前準備
点滴→おしっこチューブ入れ→メディキュット履き→筋肉注射
検査後は止血のため、とにかく動けません。ベッドにくぎ付け。いわゆる「安静」です。その対策のために、病室にやってきた看護師さんはてきぱきと準備をしてくれました。
まず、おしっこチューブ(というあっぴろげた言い方をしていますが、排尿用カテーテルです)を入れます。安静中は立っておしっこに行けないから、とのことです。痛みは10段階で言うとレベル1くらいです。めっちゃ我慢した後おしっこした時にツーンとしみる、あの感覚に似てます。筆者は女性ですが、男性だとまた違うのかもしれません。あと、脱毛しててよかったぁと超私的な感想を抱きました。挿入後は、なんだかずっとおしっこに行きたいようなもぞもぞした感覚があって変な感じでした。明日までこのチューブとおしっこパック(おしっこ貯めとくやつ。手提げかばんみたいになってる)とはお友達です。
そして、めちゃきついストッキング(メディキュットみたいなやつ)を履かせてくれました。動かないと足に血の塊(血栓)ができやすくなり、それが心臓や肺に詰まると大事になってしまうので、その予防とのことです。エコノミークラス症候群と言われていたやつですね。
その後、筋肉注射します。身体の緊張をほぐすためだそうです。これは痛みレベル2~3くらい。ちくーて感じ。よく知ってる注射の痛みです。さて、検査室の準備も整ったようなので、車椅子に乗って向かいます。レッツゴー。
検査中
針を刺す位置確認→息止めの練習→局所麻酔→針刺し→組織採取→止血→針刺し…(以下繰り返し)
まずは針を刺す位置を確認します。筆者は左側の腎臓の組織を採ることになりました。うつぶせになって、背中から、左の腰あたりに針を刺します。お腹側から刺す人もいるみたいです。エコーで腎臓の位置を確認して、こうしようかな、ああしようかな、とドクターたちが相談してました。ほうほうさすがプロの先生方、よしここはドーンとお任せして私なぞは寝ていようかな、と、そうしたいところですが、実は患者側にも重要なお仕事があるようです。
それは、針を刺すタイミングで息を止めること。なんじゃそりゃ、と思うかもですが、息をするだけで内蔵の位置って結構ズレるんですよね。エコー画面を見ているとわかります。腎生検は、エコーで腎臓の位置を確認しながら、そこめがけて針を刺していきます。呼吸をしたり身体を動かしたりすると、腎臓が動いてしまって、狙ったところに針が行かない場合があります。

息を吸って〜…はい、止めて!

(ピタ!)
こんな感じで、止めてる間に刺してくれるそうです。ドクターと一緒に何回か練習をしました。医師と患者の共同作業ですね。
イメトレを終えたらいよいよ本番です。まず局所麻酔。腰回りに、ちくーっ、ちくーっと刺していきます。痛みレベル2~3。普通の注射ですね。あいててて、てくらい。心拍とか血圧とかを確認する機械を手に付けてくれます。こまめにチェックしてくれるので安心です。しばし待って、麻酔が効いてきたら、検査針を刺していきます。

はい、じゃあ行きますよ~。息を吐ききってくださーい。
はい、息を吸って~…、止めて!

(ピタ!)

ブスー
こんな感じです。痛みレベルは…0でした。麻酔効いてるので全く痛くないです。麻酔すげぇ。圧迫感だけある感じ。抜歯のときの、「痛くないけどなんか引っ張られてるなぁ」のあの感じと似てる、「痛くないけどなんか背中押されてるなぁ」って具合です。
針は一回では刺さりきらないので、ちょっと刺して、腎臓の位置見て、ちょっと刺して、位置見て、の繰り返しです。で、いい頃合いまで刺さったら、組織を採ります。

じゃあ次、採りますね~

お願いしま~す

息を吐ききってくださーい。
はい、息を吸って~…、止めて!

(ピタ!)

パチン!
このパチン!は事前説明を受けていたので特にビビりませんでした。このパチン!で組織が採取できるみたいです。
痛みレベルは、意外にも0でした。あっても0.5くらい?例えるなら、ホチキスで書類を留めたときの振動が手に伝わるような、あんな感じです(自分が書類だと考えると痛そうですが、手です。手に来る振動のみです。わかりにくいな)。

ハイ止血しま~す
針を抜いてすぐ、圧迫止血です。ドクターが体重をかけて、背中をぐーっと押さえてくれます。うぐぐ。なかなかの圧。タイマーをセットして、10分とか15分とか?(時間はうろ覚えです)押さえて、傷口を確認。止まってなければもうちょっと押さえて、ある程度止まったら、もう一回、組織を採ります。また針刺しからスタート。全部で3回くらい採りたいみたいです。
先生が頑張って止血をしていたので、ええ~そんなにジョバジョバ血が出てるのかなぁ…と思っていたのですが(背中側なのでよく見えない)、後で傷口を見て、「あ、そんなでもないのかな…」と思いました。でも実際のところはよくわからないので、知らないままにしておこうと思います。
で、検査自体は滞りなく進んだ…と言いたいのですが、なんか筆者の場合、針がえらい刺さりにくかったらしいです。

硬っ…。なんか硬いですね…針が進まない…

変わろうか?…ああ~硬いねこれ…。なんだろう、年齢的なもの?
男性医師が上から体重をかけて、グーっと押さえてくれるのですが、なかなか針が進みません(自分も感覚でわかる)。なんでだろう。力勝負では男性どころか女性にも、体格が同程度の子どもにも負ける非力さを持つ筆者が、なぜか針刺しでは男性医師を苦戦させている。そして、途中で曲がる針。おいおい針に勝っちまったよ。我ながら若干引きます。普通はあんまり無いみたいなので、読んでる方の多くはこうはならないでしょう。大丈夫です。
針を何回か交換しつつ、なんとか針先が腎臓にたどり着き、やっとの思いで組織を採ります。が、筆者の腎臓はどうやら血腫ができていたようで、パチン!とやっても、「うーん、採れてないねぇ」「これも(組織じゃなくて)血腫だねぇ」と、何度かやり直しになりました。「悪いな…それは残像だ」って感じ。いや、迷惑かけるのはやめなさい、先生も忙しいんだから。おかげでなかなかの長丁場になりました。その間、先生は一生懸命針刺ししてくださる。筆者はがんばって息を止める。お互いへとへとです。いや、筆者は病気で体力が落ちていただけで、労働量としては比べるのが申し訳ないほどの差ですが…。

…もう一回いけますか?

はい、何本でも採ってください!

いいですね!

よし、頑張りましょう!
謎の連帯感も生まれました。
結局、終わった頃にはもう夜になっていました。1~2時間くらいで終わると聞いていましたが、倍以上かかってました。ああ、先生たち、残業代ちゃんともらってくださいね…。
最後の圧迫止血をしたら、その後は砂袋みたいなやつを傷口まわりに添えて、ぐるぐる〜と巻きます。ぎゅっと締め上げます。
で、仰向けにしてもらって、寝かされた先はマイベッド。看護師さんたちが病室からごろごろ運んできてくれたみたいです。ベットごと運ばれて、病室へと帰還しました。ただいま~。さて、ここから安静開始です。
検査後
ベッド上で仰向け安静(5時間くらい)→横向きで安静(翌朝まで)
は~疲れた~、と脱力したのち、家族とか友達とかにLINEで「なんか針刺さりにくかったよ」等と報告してました。しばらくしたら看護師さんが、夕ごはんを持ってきてくれました。
検査後ってごはん食べれるんかな…と不安でしたが余裕で食べれました。おにぎり美味しかったです。あんかけみたいなやつも美味しかった。体は起こせないので寝たまま、フラットな姿勢で、看護師さんにスプーンで食べさせてもらいます。うんちしたくなったら浣腸で出します、と言われましたが、この時点では便意なし。
やがて麻酔が切れる頃ですが、なんか、腰あたりがぐるぐる巻かれている感覚が強くて、痛みらしきものは見当たりませんでした。
ご飯を食べて元気になったので、YouTubeで面白い動画などを見て愉快に過ごしていました。「ひひひ」と笑うと、ちょっと腰のあたりが突っ張る感じがします。そのまま消灯時間になりました。
消灯後も、時々看護師さんが検温に来てくれます。
なんだかんだ疲れたので、うつらうつらするものの、やはり寝返りできないのはきつい。背中とか腰とか徐々に痛くなってきます。傷の痛みでなく、寝返りできない痛みです。とうとうど深夜にパッチリ起きて、「あ~寝れねぇ~体いてぇ~」と呟いていました。そんなタイミングで登場した看護師さんが、姿勢変えますか?と。5~6時間経てば、横向き(傷口が下)なら姿勢を変えていいようです。

お、おねがいします!泣
左腰を下に、右側には枕を詰めて、久しぶりに姿勢を変えました。驚くほど楽になる。謎の感激。眠気もうまく来てくれました。寝たきりって大変なんだ…。
2日目

朝食時45度ベッド起こし→昼食時90度ベッド起こし→歩行解禁
明るくなったころ、やっぱり体が痛くて目が覚めて(寝返りナシは4~5時間が限界だとよく理解しました)、仕方なしにスマホをいじって過ごしました。朝食の時間になると、45度ベッドを起こしていいよ、と言われ、電動ベッドがウィーンと動きだします。
仰向けに戻って、身体を起こす。姿勢がちょっと変わるだけで、こんなにも楽になるものかと信じがたい気持ちです。ご飯は介助なしに、なんとか自分で食べることができました。今日のご飯も美味しい。このまま身体、起こしといていいですか?と看護師さんに聞いてみますが、ご飯時以外はフラットにしてください、とのこと。でもちょっと動けただけで、身体はだいぶほぐれますから、ベッドがフラットに戻ると眠気がやってきて( ˘ω˘)スヤァと寝ることができました。前歯が全部抜ける変な夢を見ました。
昼食になると、ベッドを90度起こして良いとのこと。こうなったらもう不自由は感じません。身体のこわばりもすっかり楽になりました。動かないと人間の身体はそれだけで調子が悪くなってしまうのか、と身をもって学びました。
夕方になり、検査からざっくり24時間。ここで、ついに歩行解禁です。歩いてトイレに行くよう促されました。ということは…そう、おしっこチューブが抜けます。メディキュットも脱げます。なんとまぁ、こりゃあ身軽だ!ふわふわした踏み心地の地面を歩き、トイレへ行って、用を足します。

血尿なし。ヨシ!
大丈夫そうなので、以降、トイレと歯磨きのときは歩いていいよと言われました。安静終了!いや~乗り越えましたよ。まあ終わってみれば、きついのはあの一晩だけで、夜を越せばそれほど苦で無く時が過ぎました。
まだシャワーを浴びれないので、看護師さんに身体拭きをしてもらいます。止血用のぐるぐる砂袋をべりべり~と取ってもらいます。いや、えげつない開放感だ。脱皮をした気分だ。傷口をちらっと確認され、血も止まっててきれいですよ~、と。痛みは?と聞かれますが、ほぼ無く、動くと少し引っ張られる感じがする程度だと答えました。
3日目~

自由歩行可→シャワー解禁
なるべく安静に、重いものは持たないでね、と条件付きで自由に動けることになりました。勢い余ってご飯ももりもり食べます。排尿や排便(この日検査後初)で気張る時、痛かったらやだなぁと危惧していましたが、特にありませんでした。
点滴が抜け、筆者を縛るものはもう何もなくなりました。待望のシャワー解禁です。暑い季節だったので、砂袋ぐるぐるの下に汗をかいて、軽いあせものようになっていました。傷口を鏡で見ようと腰をひねると、ちょっと突っ張って痛かったです。痛みレベル1。傷口は……ぽち、ぽち、と赤い点が左腰にありました。え、こんだけ!?と思わず声が出るレベル。ちっさ!検査前は、「全身麻酔下でわけわからん間に、腹かっさばいてやってくれんかや…」等と思っていましたが、考えを改めました。これは局所麻酔で、この規模の傷口でやってもらう方が色々と楽じゃないか……と。ちなみに、今その傷口は、よく見ないとわかんないホクロくらいになってます。
また腎生検を受けることになったら、その時の自分に伝えておきたいこと

・安静(最初の一晩)がしんどかった
・検査自体は麻酔のおかげで痛くなかった
・検査中はドクターと息を合わせてね
・検査終わった後のご褒美でも考えておこう。(どうせ暇なので)アマプラで見たかった映画でもチェックしておいて、それを楽しみに受けておいで
・↑スマホのデータ容量心配だったら、料金プランの変更しときなね
受けた人によって大きく感想は異なるでしょうが、筆者の場合はこんな感じでした~。また受けることがあったら書こうと思います!
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